システムトレードでのテクニカル分析。利用方法と種類を解説

「システムトレードというと、どのテクニカル指標を使っているの?」というようにシステムトレード=テクニカル分析と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
テクニカル指標を使ったシステムだけがシステムトレードではありません。
テクニカル分析を行わないシステムトレードもありますので、テクニカル分析とシステムトレードの関連性について説明します。

システムトレードはテクニカル分析がないと成り立たない?

システムトレードと聞くと、MT4を使ってFXトレードをイメージされる方も多いかと思います。
日本で個人投資家が行えるシステムトレードはあまり多くなく、FXをMT4でというものが多くの人が行っている投資手法なので、システムトレードと言えばMT4という方も多いでしょう。
実際には個人で行えるシステムトレードは他にもあります。
特に、仮想通貨取引がより一般的になってからシステムトレードの裾野が大きく広がりました。
大抵の仮想通貨取引所は外部から注文処理等を受け付けられるAPIを用意しており、これを用いれば個人投資家でも十分にシステムトレードを行うことが可能です。
特に各仮想通貨取引所ごとに相場が存在するために、ビットコインに価格差が生じます。
この価格差を狙った裁定取引をシステムトレードで行うという手法が流行りました。
この裁定取引では、価格差を検知すれば売買を行うという手法のためテクニカル分析は必要としません。
このようにシステムトレードだからと言って必ずテクニカル分析が用いられることはありません。

ただし、テクニカル分析とシステムトレードの相性が良いのは事実です。
テクニカル分析は直近の価格の値動きから、今後の値動きの傾向を探るものです。
もしくは、現在の価格がどのような傾向にあるのか(買われ過ぎや売られ過ぎなど)を算出するものです。
システムトレードは、あらかじめどのような取引を行うかを仕込んでおく必要があります。
売買を行う仕組みをプログラムを駆使して構築すると言い換えてもいいかもしれません。
この仕組みを構築するには、トレードを行う条件をルール化していく必要があります。
このルール化を行うことにテクニカル分析は適しているのです。

例えば、FXで上昇トレンドがある場合に買いを入れたいとします。
しかし仕事が忙しくてずっと相場を見ている訳にはいかない状態です。
システムトレードであれば、昼夜関係なくプログラムが自動で動いてくれるため、相場に張り付いている必要はありません。
そこで、上昇トレンドを検知したタイミングで買いを入れるプログラムを仕込んでおくことにします。
この場合に「上昇トレンドを検知した」というのをどう表現するかということが問題になります。
ここで登場するのがテクニカル分析です。
「上昇トレンド」ということは直近で価格が上昇を続けているということです。
移動平均線を用いれば、上昇傾向にあるのか、あるいは下降傾向にあるのかというように最近の価格変動の傾向が分かります。
このようにトレードのルール化を行っていく際によく使われるのがテクニカル分析だということなのです。

システムトレードによく使われるテクニカル分析

ここでは、システムトレードでよく使われるテクニカル指標を紹介します。
主要なものについては、改めて別記事でプログラムをどのように実装するのかを実際に使えるソースコードと共に紹介します。

ここでは、どのようなテクニカル指標があり、どのような場合に使えるのかを紹介していきます。
自分の投資手法に合うものはどれか考えながら見ていってください。

テクニカル指標は、大きくトレンド系とオシレーター系に分けられます。

トレンド系テクニカル指標は、相場が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのかのトレンドを計測して、そのトレンドの方向にエントリーする際に使用するものです。
オシレーター系テクニカル指標は、買われ過ぎや売られ過ぎを計測して買われ過ぎていたら下がるだろうと予想して売りを入れて、売られ過ぎの場合はその逆という取引に使用するものです。
現在がトレンド相場にあるのか、逆にレンジ相場にあるのかを判断し現在の相場状況に合わせてテクニカル指標を使用することが多いです。
移動平均線などは短期・中期・長期移動平均線等、複数の移動平均線を組み合わせることで相場状況を確認するためにも使用することができます。

トレンド系テクニカル指標とオシレーター系テクニカル指標のそれぞれをご紹介します。

・トレンド系テクニカル指標
移動平均線
グランビルの法則
ボリンジャーバンド
一目均衡表
エンベロープ
エリオット波動理論

・オシレーター系テクニカル指標
モメンタム
移動平均線乖離率
RSI
RCI
サイコロジカルライン
ストキャスティクス
MACD
DMI
ピボット

それぞれのテクニカル指標については、別記事で詳しく解説します。

このように数多くのテクニカル指標が存在します。
どれを使ったらよいか迷う方も多いでしょう。

どれを使えばよいのかについては、それぞれの指標がどのような数値をどのように集計しているのかを見るようにしましょう。
トレードシステムを構築する際に売買ルールを設定しますが、そのルールにマッチしたテクニカル指標を選択するようにしましょう。
トレンドに合わせてエントリーしたければトレンド系テクニカル指標を使用することになりますし、レンジ相場で天井や底を捉えてエントリーしたければオシレーター系テクニカル指標を使用することになるでしょう。

まとめ

FXのシステムトレードのように価格変動を捉えて売買を行うトレードシステムにはテクニカル指標は不可欠です。
どれを使用するかは設定する売買ルールからマッチしたものを選ぶことが大切です。
テクニカル指標のそれぞれの特徴を理解した上でテクニカル分析を行うようにしたいものです。