システムトレードのメリットって?初心者にもできるの?

システムトレードってどんなもの?
しっかりと利益を上げられるものなの?
システムで売買のタイミングを計れるものなの?
システムトレードのメリットって何?
といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

今回は、システムトレードの特徴やそのメリットについて解説していきます。

システムトレードのメリットって?やっぱり手動取引の方が安心できる?

システムトレードの特徴として、一番に上げられるのはやはり「自動売買が可能」ということでしょう。
自動売買を行うためには、システム上にあらかじめ売買を行うための条件を設定しておきます。
分かりやすいところではいくら以下になったら買い、もしくは売り等、現在価格がある水準を上回ったら(下回ったら)買い(売り)というものでしょうか。
ただこれだけだと指値注文をすればいいだけですので、システムトレードを行う場合は様々な指標を利用することが多いです。
有名なところでは移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル指標です。
その他にも「ある条件を満たした場合に自動で注文を出す」ということを行えるので、ビットコインの取引所間の価格差を検知して自動注文を行うという用い方もあります。
テクニカル指標を用いて自動売買を行うやり方はFXのシステムトレードで多いですが、過去の値動きの傾向から将来の値動きを予想するというのは難しいものです。そのため多くのトレードロジックが存在します。
ビットコインの価格差を検知して自動売買を行うのは、価格差があった場合にその価格で機械的に注文を出すだけですので、まさにシステムトレードにうってつけのものです。
価格差を検知してから注文を出すまでのスピードが成否を分けますので、システムトレードの主戦場になっています。

一方、システムトレードを用いながらも自動売買を行わないやり方もあります。
「自動売買しないシステムトレードってあるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば売買シグナルの発生はシステムで検知し、それを元に実際にエントリーを行うかどうかの判断は自分自身で行って手動で売買するというやり方です。
この方法は、システムトレードと裁量取引(手動取引)のいいとこ取りと言ってもいいかもしれません。
例えば個別株取引ですと、取引時間は平日の日中のみと決まっていますので、システムが出したシグナルを確認した上で、手動で注文を行うというやり方が向いているとも言えます。
システムトレードの場合は、あらかじめ設定しておいた条件を満たした場合にシグナルを発生させますが、それが妥当なものなのかを自分で確認した上で注文を出すようにしたいという場合に適したやり方です。
全て自動で行う場合と比べて確認して手動で注文を出す分だけ手間がかかりますが、意図しない注文を防ぐことができるということと、手動で行った場合だけでは見逃してしまうような注文も拾うことができるというメリットがあります。
FXでは海外の取引所が開いている夜間が主な時間帯になります。
サラリーマンが帰宅後でもトレードできるというメリットはありますが、毎日夜通しで取引を行う訳にもいきません。
寝ている場合は取引できない訳ですから、機会損失になってしまいます。
システムトレードですと、コンピューターが自動で取引を行ってくれますので、こういった機会損失を防ぐことができます。
こういった面でもFXとシステムトレードは相性が良いと言えます。

システムトレードは投資初心者でもできるの?

次に、投資初心者の人がシステムトレードを行う場合を考えてみましょう。
「投資初心者にシステムトレードを勧めるか」ですが、私はおススメしません。

なぜ勧めないかですが、システムトレードを行うためにはシステムでの仕掛けが必要です。
どういった条件が揃ったらエントリーするのか、損切りはどこで入れるのか、利確はどのタイミングで行うのかといったことを考える必要があります。
この条件を自分で考えるにはある程度の投資経験が必要だと考えます。
投資初心者だと、どういった条件を設定すればよいかが分かりません。
また、実際に取引を行い、良かった点、悪かった点を日々改善していきます。
この場合に、どこが良かったのか、悪い点はどこを改善すれば良いのかを判断する必要があります。
これをしっかりと行うには、投資初心者では難しいでしょう。

FXでよくありますが、実際に利益を上げているシステムを買ってくればいいじゃないかという意見もあると思います。
確かに、利益を上げ続けるシステムがあれば、それを使っていれば良さそうです。
気を付けたいのは、過去どんなに利益を上げ続けているシステムでも絶対はないということです。
どんなシステムでも損失を出す可能性は存在します。
投資知識がないままシステムを買ってきても、そのシステムはブラックボックス化してしまい、一時的にドローダウンを出した場合にどう対応すればよいのか判断がつかないという事態になる可能性もあります。
また、損失が出てしまった場合に、「システムが良くないからだ」と言って諦めきれますか?
それで納得できますか?
「儲かるだろう」という期待からシステムを使う判断をしたのは自分自身です。
そのシステムが損失を出してしまった場合、それを使うという判断を行った自分自身の誤りが原因だということです。
少なくともそのロジックがどういう条件で売買を行い、ロスカットや利確をどのような条件で出すのかということを理解した上で運用すべきです。

ビットコインの価格差を狙っていく裁定取引であれば初心者にも可能では?と思われる方もいらっしゃるでしょう。
私もその意見には賛成です。
「自分自身が何に投資していて、どういう仕組みで儲かるのか」ということが理解できるものであれば手を出して大丈夫でしょう。
逆に言えば、自分自身がその仕組みを理解できないものには貴重な資金をつぎ込むべきではありません。

これはシステムトレードに限ったことではなく、投資全般に言えることです。
「〇〇さんが儲かると言っていた」
「次は〇〇が来るらしい」
というような情報に踊らされて手を出すようなことがないようにしましょう。

では、投資初心者がシステムトレードを行うにはどうすればよいかということですが、まず自分が投資をしたいと思っている金融商品のことをどれほど知っているかです。
どのような場合に買い、どのような場合に利益確定をして、損切りをどうすればよいのかというようなことを知っているかということです。
もしくはその商品の成り立ちやどのような場合に値上がりするのかということを知っているかということです。
これを一番よく理解できるのは、実際にお金を使って投資をしてみることです。
もちろん、最初は少額で始めるべきです。
本で読むだけなのと、実際に売買を行ってみて学べることには大きな違いがあります。
実際の取引では、本に書いてあっても本当の意味で理解できていなかったということを痛感することもあります。

ここで補足しておくと、何も理解しないまま売買を始めてはいけません。
本などから得られる知識は非常に有用です。
最初に本やインターネットなどから知識を得た上で、投資を行うようにすべきです。
FXではデモ口座が用意されている証券会社も多くありますから、実際にお金を入れる前にデモトレードで試してみるものよいでしょう。
そして実際に投資を行いたいと考えているのであれば、少額で始めて自分のお金を使って投資を行ってみることです。
デモトレードでは、1000万円でも1億円でも損失を出しても何ともありません。
しかし、自分のお金で1000円でも損失が出ると、嫌な気分になったり自己嫌悪におちいったりと、今まで見えていなかったものが見えてきます。
システムトレードを行う際には、こういった経験を反映させていきます。
損失が出た場合に、ロスカットの位置が悪かったのか、そもそもエントリーすべきではなかったのかという判断がつくようになります。
このような判断を元にシステムに反映しブラッシュアップしていきます。

投資の形を持っている人にとってみれば、システムトレードは大きな武器になります。
まだ投資の形がハッキリとしないという人はシステムトレードをやるべきではないかというとそういう訳でもなく、システムトレードによって形にしていけばよいと思います。
システムトレードを行うための、ある程度の前提知識は必要になりますが、システムを使うことで様々な試行錯誤が可能になります。
この試行錯誤を通して自分の投資を形作っていくということも可能だと考えています。
今管理人が取り組んでいるのも、まさにこれでこのブログを通してその成果を共有したいと考えています。

まとめ

システムトレードのメリットとしては、作業を自動化できるということです。
それには自動化したい作業をハッキリとさせておく、システム化したいロジックをイメージできることが必要です。
「システムトレードをやりたい」よりも、「こんな取引をシステムでやってみたい」という方がより現実的です。
これからシステムトレードを始めてみたいという方も、ぜひとも投資の知識や経験を積んで自分なりの投資の形を作って、それをシステム化するという進め方で取り組んでみてはいかがでしょうか。