EAに限らずシステムトレードのロジックを開発する際に一番時間がかかるのが、トレードロジックのアイデアをコーディングしてバックテストを行うところです。
最初にトレードロジックのアイデアがあって、そのアイデアを形にする必要があります。
形にする=プログラミングすることになりますが、苦労してコーディングした後にやっとバックテストができるようになります。
そこで初めてアイデアの評価ができる訳ですが、動かしてみると思っていたよりも利益が出ないとか、損益カーブが右下がりになるということが往々にしてあります。
FXシステムトレードの開発を始めたばかりの頃は、右肩上がりになるケースの方が少なくて、右下がりになることがほとんどだったりします。
システムトレードでも勝率100%というのはあり得なくて、必ずドローダウンが発生します。
FXで運用できるシステムは、長期間運用して損益がプラスになるものですが、どういったEAで期待値をプラスにできるのかは試行錯誤しなければいけません。
アイデアを開発してバックテストを行うということを繰り返す必要があります。
MT4でEAを作成する際にはテクニカル指標をプログラミングしてシグナルを発生させるという実装が多いでしょう。
どのテクニカル指標でどのような条件の場合に利益が大きくなるのかは、バックテストを行わなければ見えてきません。
アイデアをプログラミング→EA作成→バックテストという手順を繰り返すには非常に時間がかかります。
特にFXシステムトレードを始めたばかりの頃はどのインジケーターがどのような条件で有効なのかの目星がついていません。
このような状況で指針になるのが今回紹介する「○pipsを狙うなら、どのルールが良いのか」を徹底検証!「出口」から考えるFXです。
Contents
なぜ「○pipsを狙うなら、どのルールが良いのか」を徹底検証!「出口」から考えるFXを薦めるのか
FXシステムトレーダーにとってバイブルとも言えるのが本書です。
では、この本の優れた点を紹介していきます。
トレンド系・オシレーター系等主要なインジケーターを抑えている
FXトレードロジック(EA)を作る場合、移動平均線やボリンジャーバンド、ストキャスティクス、MACDなど主要なインジケーターを使用したロジックから考えるものです。
本書で紹介されているロジックは、移動平均線を用いたロジック、ボリンジャーバンドを用いたロジック、ストキャスティクスを用いたロジック等、トレンド系・オシレーター系等FXの主要なインジケーターを抑えています。
ですから本書のデータをもとにトレードロジックのアイデアを考える場合にも参考にできます。
多くの通貨ペアでバックテストしている
FXでは通貨ごとに特色があり、通貨ペアごとに値動きの傾向や早さなど大きく異なります。
当然、同じロジックでも通貨ペアによってパフォーマンスが大きく異なります。
本書には、各ロジックごとに通貨ペア別のバックテストの結果が掲載されています。
使用しているインジケーターに対して通貨ペアのパフォーマンスを確認できますので、独自にFXトレードシステムを開発しようという人にとっても大いに参考になります。
複数の時間枠でバックテストしている
同じトレードロジックで同じ通貨ペアあっても、適用する時間枠(時間足)が異なるとパフォーマンスも大きく異なります。
インジケーター、通貨ペアごとにどの時間枠でどのようにパフォーマンスが分かってくるのかのデータがまとまっています。
利確幅(pips)ごとにバックテストしている
インジケーターごと、通貨ペアごと、時間枠ごと、さらに利確幅つまり利益確定ラインを何pipsとるかによってバックテストしています。
利益確定ラインを10pips, 20pips, 50pips, 100pipsとした場合のバックテストの結果を確認できます。
トレードプログラムのダウンロード特典が付いている
さらにすごいのが、本書で検証しているFXトレードプログラム(EA)のダウンロード特典が付属しているということです。
著者の角田さんが検証されたプログラムをダウンロードできますので、これだというロジックでの実運用も可能です。
EAをプレゼントとしてよくあるのが、コンパイル済みのex4ファイルをもらえるというものですが、ソースコードを見る事ができないので、実際にどのようなロジックが実装されているのかを確認することができません。
ところが本書の特典として用意されているプログラムは驚くべきことにmq4ファイルで、ソースコードを見る事もできますし、自分で好きに変更することも可能です。
もちろんコンパイルすれば自分で運用することもできます。
FXシステムトレードを始めたばかりの方にとっては、サンプルプログラムとしても大きな役割を果たすでしょう。
「○pipsを狙うなら、どのルールが良いのか」を徹底検証!「出口」から考えるFXのまとめ
本書では、狙う利益幅(pips)、使用インジケーター、通貨ペア、時間枠ごとにバックテストを行い、その結果を検証しパフォーマンスの優れた組み合わせを掲載しています。
優れたパフォーマンスを出したロジックとその運用条件を一目で確認することができますので、これを元に同じ条件でFXトレードすることも可能です。
バックテストは長期間のデータを対象に行われており、長期間の運用でプラスのパフォーマンスを出したロジックと運用条件も載っており、そのまま運用するにしても自身のプログラム開発の参考にするのにも大いに役立ちます。
FXシステムトレードをやっている人、特にどのようなロジックで実装すれば利益を出せるのか試行錯誤している人にとっては指針にもなります。
本書で紹介されているロジックのうち、自分の好みに合うもので運用を始めて、そこから自分用にカスタマイズしていくといったことも可能になるので、大変な効率アップ、時間短縮になります。
FXシステムトレードをされている方はぜひ一度手に取って頂きたい本です。